戦争とプロパガンダ (下)
ウクライナ侵攻直後の2022年5月、第2次大戦の戦勝式典でのプーチン演説を世界が注視した。ロシアへの差し迫った脅威として、「ウクライナが核兵器取得の可能性を公表した」「米国とその取り巻きのネオナチとの衝突は避けられない」と、戦争を正当化するプロパガンダを並べたてた。...
戦争とプロパガンダ (中)
2001年9月11日、米本土で3000人の市民が犠牲になった同時多発テロが起きた。実行犯を操るテロ組織アルカイダへの報復と、アフガニスタンのタリバン政権を崩壊させるため、米軍とNATO軍を主力とする戦争がはじまった。テロ事件の衝撃の大きさから、米国が唱えた〝テロとの戦い〟に...
戦争とプロパガンダ (上)
ロシアであれ、米国や中国であれ、覇権国の存立要件は、常に対決と戦争にある。あたかも、マグロが回遊しつづけなければ酸欠死するのと同じだ。 ただし、19世紀以前の絶対主義の時代と違い、20世紀以降の国民国家は、戦争遂行のため〝説明責任〟が伴う。国民に対して兵士としての労働と金銭...
繰り返す「パチムゥ(なぜ)?」
コーカサス地方の北オセチア共和国は、紛争を抱えながらロシア連邦を構成してきた。この地域のベスランという小さな町の学校が、全世界の耳目を集めたのは2004年の9月1日。学校が占拠され1000人以上が人質に取られるという、空前のテロ事件が起きた。事件当時も大統領であったプーチン...
百万本のバラの歌手と、画家
ロシア人に最も愛されるポピュラー音楽の歌手といえば、だれもがアーラ・プガチョワを挙げる。日本にたとえれば、国民的歌手だった美空ひばりであろう。私が若かったころ、ロシアのサンクトペテルブルクに留学していて、友人に誘われカラオケに行った。ロシア語の勉強と思って、「エルミタージュ...